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指値注文(さしねちゅうもん)とは、買いたい価格や売りたい価格を指定して出す注文方法です。FXでは、一般に「現在より安い価格で買う」「現在より高い価格で売る」ときに使います。
例えば、ドル円の買値が現在150円のとき、「148円まで下がったら買いたい」という注文をあらかじめ設定できます。
ただし、注文を出しただけで取引が成立するわけではありません。指定した条件を満たさない場合や、業者の約定条件によっては、注文が成立しないこともあります。
この記事では、指値注文の仕組み、買い指値と売り指値の違い、成行注文・逆指値注文との使い分け、注文時の注意点を解説します。
指値注文とは?希望する価格を指定する注文方法
指値注文は、英語で「Limit Order(リミットオーダー)」と呼ばれます。
現在の価格で売買するのではなく、希望する価格を指定し、その条件を満たすまで待つ注文です。

FXでは、一般に次のように使います。
| 注文の種類 | 指定する価格 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 買い指値 | 現在の買値より低い価格 | 今より安く買いたい |
| 売り指値 | 現在の売値より高い価格 | 今より高く売りたい |
ここでいう「有利な価格」とは、買うなら安く、売るなら高くという意味です。その価格で取引できれば利益が出る、という意味ではありません。
例えば、148円の買い指値が成立しても、その後147円、146円と下がれば損失が生じます。
注文の受付と約定は別
注文が受け付けられた段階では、まだ売買は成立していません。
売買が成立することを「約定(やくじょう)」と呼びます。指値注文では、注文受付後に条件を満たして初めて約定するため、未約定のまま残る場合があります。
注文を出した後は、「注文中」なのか「約定済み」なのかを取引画面で確認しましょう。
詳しくは、約定とは?注文が成立する仕組みも参考にしてください。
買い指値と売り指値の仕組み
以下の価格は、仕組みを説明するための仮定です。現在の為替レートや取引の推奨価格ではありません。
買い指値:現在より安くなったら買う
ドル円の買値が150円のとき、「148円で買いたい」と考えた場合は、148円の買い指値を設定します。
| 段階 | 状態 |
|---|---|
| 現在の買値が150円 | 148円の買い指値を出す |
| 買値が149円 | 通常は未約定のまま待つ |
| 買値が148円となり、約定条件を満たす | 買い注文が約定する |
価格が148円まで下がらなければ、注文は成立しません。また、画面上のチャートが148円に見えても、買い注文の判定に使う価格がその水準に達していない場合があります。
売り指値:現在より高くなったら売る
ドル円の売値が150円のとき、「152円で売りたい」と考えた場合は、152円の売り指値を設定します。
| 段階 | 状態 |
|---|---|
| 現在の売値が150円 | 152円の売り指値を出す |
| 売値が151円 | 通常は未約定のまま待つ |
| 売値が152円となり、約定条件を満たす | 売り注文が約定する |
売り指値は、新しく売りポジションを持つときだけでなく、保有している買いポジションを利益確定する際にも使われます。
ただし、新規の売り注文と、買いポジションの決済注文は別です。利益確定をしたい場合は、決済対象のポジションを選んで注文する必要があります。
指値注文・成行注文・逆指値注文の違い
3つの注文方法は、価格の指定方法と目的が異なります。
| 注文方法 | 価格の指定 | 主な使い方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 指値注文 | 希望価格を指定する | 今より安く買う・高く売る | 条件を満たさず約定しないことがある |
| 成行注文 | 約定価格を指定しない | 現在の市場で売買する | 表示価格と約定価格がずれることがある |
| 逆指値注文 | 注文を執行する条件となる価格を指定する | 損切りや、一定の水準を超えた後の新規取引 | 条件到達後の約定価格が指定価格からずれることがある |
成行注文は、価格より取引の実行を優先する
成行注文は、約定価格を指定せずに売買する注文です。
指値注文のように希望価格まで待つ必要はありませんが、相場の急変などによって、注文時に見た価格と実際の約定価格が異なることがあります。
取引時間外や注文条件の不備などで、注文できない場合もあるため、「必ず即時に成立する」とは限りません。
逆指値注文は、指定した水準への到達を条件にする
現在のドル円が150円前後の場合、一般に次のように区別します。
| 希望する取引 | 注文方法 |
|---|---|
| 148円まで下がったら買いたい | 買い指値 |
| 152円まで上がったら売りたい | 売り指値 |
| 152円まで上がったら買いたい | 買い逆指値 |
| 148円まで下がったら売りたい | 売り逆指値 |
逆指値注文は損切りに使われますが、一定の価格を超えたところで新規取引を始める際にも使われます。
例えば、買いポジションの損切りには、現在より低い価格を条件とする売りの逆指値注文を設定します。指値注文と逆指値注文では、指定する価格の方向が異なります。外為どっとコム:指値注文とストップ注文の説明
指値注文の使い方を具体例で確認
例1:買いたい価格まで待つ
ドル円の買値が150円で、「148円になったら買いたい」と考えた場合の基本的な流れです。
- 通貨ペアを選ぶ
- 新規注文の「買い」を選ぶ
- 注文方法で「指値」を選ぶ
- 注文価格に148円を入力する
- 取引数量と有効期限を設定する
- 注文内容を確認して発注する
画面の名称や手順は業者・取引ツールによって異なります。発注後は注文一覧を開き、通貨ペア、売買方向、価格、数量、有効期限を確認してください。
価格を指定できることと、その価格で買う判断が適切であることは別です。約定後に値下がりした場合の対応も考えておく必要があります。
例2:買いポジションの利益確定に使う
148円で買ったドル円のポジションを保有していて、「152円になったら決済したい」と考えた場合は、そのポジションに152円の売り指値を設定します。
重要なのは、新規注文ではなく決済注文を選ぶことです。取引ツールによっては、新規の売り注文を出すと、買いポジションを決済せず別の売りポジションを持つ場合があります。
決済対象と数量を確認してから発注しましょう。
なお、売りポジションを保有している場合は、現在より低い価格の買い指値を利益確定に使うことがあります。
例3:利益確定と損切りを組み合わせる
利益確定には指値注文、損切りには逆指値注文を使うなど、目的に応じて注文を組み合わせられます。
代表的な注文方法は次のとおりです。
- OCO注文:2つの注文を組み合わせ、一方が約定するともう一方が取り消される
- IFD注文:新規注文と、その約定後に有効になる決済注文をまとめて設定する
- IFO注文:新規注文と、利益確定・損切りの決済注文を組み合わせる
設定できる条件や名称は業者によって異なります。指値注文だけで損切りまで設定したことにはならないため、注文の役割を分けて確認してください。
新規と決済をまとめて予約する仕組みは、IFD注文とは?新規と決済を同時予約する注文方法で解説しています。
指値注文が約定しない主な理由
指定した価格に達していない
買い指値なら買値、売り指値なら売値が、注文の条件を満たしているかを確認します。
FXでは、買うときの価格を「Ask」、売るときの価格を「Bid」と表示することがあります。この2つの価格の差がスプレッドです。
例えば、チャートがBidを表示している場合、チャートが買い指値の価格に達しても、Askはまだその価格より高いことがあります。その場合、買い注文が成立しないことがあります。
チャートがどの価格を表示し、注文がどの価格で判定されるのかを確認しましょう。
注文の有効期限が切れている
指値注文には、当日限り、指定日時まで、取り消すまで有効などの期限を設定できる場合があります。
期限を過ぎた注文は、後から価格条件を満たしても約定しません。有効期限や「当日」の区切りは業者によって異なります。
必要な証拠金や約定条件を満たしていない
注文時や約定時の証拠金確認、取引数量の制限、取引時間、急変時の処理などによって、注文が拒否・取消される場合があります。
価格条件だけでなく、注文状態や取引履歴、業者からの通知も確認してください。
指値注文を使うときの注意点
指定価格での約定条件を確認する
指値注文は価格を指定する方法ですが、実際にどの価格で約定するかは、業者や取引システムのルールに従います。
指定価格で約定する方式や、有利な価格で約定する場合、特定の条件で価格がずれる場合などがあります。すべての業者について「必ず指定価格」「スリッページは絶対にない」とは断定できません。
OANDA証券も、指値注文が指定価格で必ず約定することを保証するものではないと説明しています。利用する業者の取引説明書を確認しましょう。OANDA証券:指値注文の約定価格に関するFAQ
注文を放置しない
取り消すまで有効な注文は、相場への見方が変わっても残り続ける場合があります。
数日前に出した注文が、想定していなかったタイミングで約定することもあります。未約定注文は定期的に確認し、不要になったものは取消手続きを行いましょう。
取消操作をした場合も、取消完了の表示を確認してください。
指値注文は損失を防ぐ仕組みではない
指値注文で安く買えたとしても、その後さらに下がれば損失が生じます。高く売れたとしても、その後さらに上がれば売りポジションに損失が生じます。
取引数量を大きくすると、同じ値動きでも損益額は大きくなります。注文価格だけでなく、数量と証拠金も確認してください。
ロットとは?取引数量の単位を理解すると、証拠金とは?取引に必要な担保金の仕組みも併せて確認すると、注文前の判断に役立ちます。
指値注文についてよくある質問
指値注文はいつ取り消せますか?
通常は、約定前の注文について取消手続きができます。ただし、注文の執行と取消処理が近いタイミングで行われると、取消が間に合わない場合があります。
操作後は、注文一覧で取消が完了したかを確認してください。
指値注文でスリッページは発生しますか?
約定価格の扱いは業者・取引システムによって異なります。指定価格と異なる価格で約定する場合があるため、指値注文なら価格が絶対にずれないとは考えないようにしましょう。
指値・成行・逆指値それぞれの約定ルールを、利用する業者の取引説明書で確認してください。
指値注文に有効期限はありますか?
有効期限を設定できる場合があります。選択肢や期限の区切りは業者によって異なるため、発注画面で確認してください。
長期間有効な注文を使う場合も、相場への見方が変わったときは内容を見直す必要があります。
買い指値を出したら、証拠金は使われますか?
注文時に証拠金を確保するか、約定時にどのような確認を行うかは業者によって異なります。
未約定だから資金に影響がないとは限りません。複数の注文を出す場合は、必要な証拠金や余力の表示を確認してください。
初心者でも指値注文は使えますか?
基本の仕組みを理解すれば利用できますが、価格の入力だけでなく、数量、有効期限、新規と決済の区別も確認する必要があります。
デモ取引が利用できる場合は、発注・変更・取消の操作を確認する方法もあります。ただし、デモ取引と実際の取引では約定環境などが異なる場合があります。
まとめ:指値注文は価格を指定して待つ注文方法
指値注文は、希望する価格を指定して売買する注文方法です。
まずは、次の点を押さえましょう。
- 買い指値は、現在より安い価格で買いたいときに使う
- 売り指値は、現在より高い価格で売りたいときに使う
- 条件を満たさなければ、注文は約定しない
- 新規注文と決済注文を区別する
- 有効期限、取引数量、証拠金、業者の約定ルールを確認する
指値注文は、希望する価格をあらかじめ設定するための手段です。約定後の利益や、損失の回避を保証するものではありません。
発注した後も注文状態を確認し、不要になった注文は取り消すなど、設定内容を管理することが大切です。
※本記事は注文方法の理解を目的とした情報提供です。特定の取引や利益を保証するものではありません。FXでは相場変動などによって損失が生じ、預けた証拠金を上回る損失が発生する場合があります。
✅ 編集長監修
祥吾
FX歴15年。専門用語につまずいた経験をもとに、初心者にもわかりやすい用語解説を専門に発信している。

