逆指値注文とは?損失を限定する注文方法をやさしく解説

逆指値注文を使ったFXのリスク管理イメージ 取引の基本用語

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「価格がここまで下がったら、取引を終わらせたい」
「画面を見ていない間に、損失が大きくなるのが心配」

そんなときに使われる注文方法の一つが、逆指値注文です。

逆指値注文とは、指定した価格以上になったら買う、または指定した価格以下になったら売る注文方法です。「ストップ注文」とも呼ばれます。

損失の拡大を抑えるために使われますが、指定した価格で必ず売買できるわけではありません。

この記事では、逆指値注文の仕組みを、買い・売りの具体例と身近なたとえで説明します。

逆指値注文とは?指定した価格を条件に売買する注文

逆指値注文は、基本的に次のように使います。

注文の方向設定する価格売買を行う条件
買いの逆指値現在の買値より高い価格買値が指定価格以上になる
売りの逆指値現在の売値より低い価格売値が指定価格以下になる

たとえば、現在の米ドル/円の買値が150円なら、「151円以上になったら買う」という注文が買いの逆指値です。

現在の売値が150円なら、「149円以下になったら売る」という注文が売りの逆指値です。

指定価格は、売買を行うための条件です。実際に取引が成立する価格を保証するものではありません。

外為どっとコム公式:指値注文とストップ注文の違い ※外部リンク

温度センサー付きの換気扇に似ている

室温が30度以上になったら、自動で動く換気扇を想像してみてください。

30度という数字は、換気扇が動き始める条件です。動き始めたからといって、室温を必ず30度に保てるわけではありません。

逆指値注文も似ています。指定した価格は売買を行う条件であり、その価格で必ず成立するという約束ではありません。

「動き出す条件」と「実際の結果」を分けて考えることが大切です。

逆指値注文を損切りに使う例

損切りとは、損失が出ている取引を終了することです。

逆指値注文を使うと、価格が設定した条件に達したときに、保有している取引を終了する売買を行えます。

ただし、買いから始めた取引と、売りから始めた取引では、注文の方向が逆になります。

買いの取引は「売りの逆指値」で損切りする

米ドル/円を150円で1,000米ドル買い、現在の売値も150円付近にあるとします。

「149円以下になったら、この買いの取引を終了したい」と考えた場合、149円に売りの決済逆指値を設定します。

流れは次のとおりです。

  1. 150円で買った取引を保有する。
  2. 149円に売りの決済逆指値を設定する。
  3. 売値が149円以下になると、決済の売買が行われる。

仮に149円で決済できた場合、値動きによる損失は次のとおりです。

(150円-149円)×1,000米ドル=1,000円の損失

※費用などを除いた説明用の例です。149円での決済や、損失1,000円を保証するものではありません。

売りの取引は「買いの逆指値」で損切りする

米ドル/円を150円で売った取引では、価格が上がると損失になります。

現在の買値が150円付近のとき、「151円以上になったら取引を終了したい」と考えた場合は、151円に買いの決済逆指値を設定します。

保有している取引損失になる方向損切りに使う逆指値
買いの取引価格が下がる売りの決済逆指値
売りの取引価格が上がる買いの決済逆指値

買い・売りの取引の違いは、次の記事で確認できます。

ロング・ショートとは?FXの買いと売りの基本用語をわかりやすく解説

指値注文と逆指値注文の違い

指値注文は、現在より安く買いたい、または現在より高く売りたいときに使います。

一方、逆指値注文は、現在より高くなったら買う、または現在より安くなったら売るときに使います。

注文方法買う場合売る場合
指値注文現在より低い価格を指定現在より高い価格を指定
逆指値注文現在より高い価格を指定現在より低い価格を指定

※買いは現在の買値、売りは現在の売値を基準にした基本的な整理です。設定できる価格の範囲などは、サービスによって異なります。

ここでいう高い・低いは、注文を設定するときの価格との比較です。以前に買った価格や売った価格だけで、注文の種類が決まるわけではありません。

また、逆指値注文でも、すでに利益が出ている取引の決済に使う場合があります。「指値=利益確定」「逆指値=損切り」とだけ覚えると、使い方を取り違えることがあります。

指値注文とは?希望価格で売買する注文方法をやさしく解説

逆指値注文は、新しく取引を始めるときにも使える

逆指値注文は、保有中の取引を終えるためだけのものではありません。

たとえば、現在の米ドル/円の買値が150円のときに、「151円以上になったら新しく買いたい」と考える場合にも使えます。

この場合は、151円に新規の買い逆指値を設定します。

一定の価格を超えてから売買する方法は、「ブレイクアウト」を狙う取引で使われることがあります。ブレイクアウトとは、意識されていた価格帯などを抜ける動きのことです。

ただし、151円を超えたあとも上がり続けるとは限りません。買いが成立した直後に下がり、損失になる場合もあります。

損切り用の注文と新規注文では目的が違うため、注文画面の「新規・決済」の区分を確認しましょう。

逆指値注文で損失額を保証できない理由

逆指値注文で特に大切なのは、指定価格と実際の成立価格が異なる場合があることです。

売買が成立することを「約定」、実際に成立した価格を「約定価格」と呼びます。

たとえば、150円で買った1,000米ドルの取引に、149円の売り逆指値を設定したとします。

相場が急に下がり、実際には148.80円で約定すると、値動きによる損失は次のようになります。

(150円-148.80円)×1,000米ドル=1,200円の損失

149円で決済できた場合の1,000円より、損失が大きくなっています。

このような指定価格などと約定価格のずれを、スリッページと呼びます。

経済指標の発表前後や、週明けに価格が大きく離れて始まった場合などは、特に注意が必要です。

スリッページとは?注文と約定価格のズレをわかりやすく解説

外為どっとコム公式:月曜オープン時の約定ルール ※外部リンク

逆指値注文は、条件に達したら決済を行うための手段です。「損失は必ずこの金額まで」という保証として考えないようにしましょう。

逆指値注文を設定するときの確認事項

売買の方向と「新規・決済」を確認する

買いの取引を終えるには、売りの決済注文を使います。売りの取引を終えるには、買いの決済注文を使います。

反対方向の新規注文では、サービスや設定によって、元の取引が残ったまま別の取引を保有する場合があります。

「売りか買いか」だけでなく、「終了したい取引に対する決済注文か」を確認してください。

数量と対象の取引を確認する

1,000米ドルを保有していても、決済注文がその一部の数量だけなら、残りの取引は終了しません。

注文数量と、どの取引を決済する注文なのかを確認しましょう。

有効期限と注文の状態を確認する

注文が受け付けられたか、有効期限はいつまでか、取消や失効になっていないかを確認します。

変更や取消をした場合も、操作しただけで判断せず、処理結果と履歴を見てください。

約定とは?注文が成立する仕組みをやさしく解説

BidとAskのどちらが条件になるか確認する

FXには、売るときの価格であるBidと、買うときの価格であるAskがあります。

一般に、売りの逆指値はBid、買いの逆指値はAskが条件になります。

チャートがBidだけを表示している場合、買い逆指値の条件に使うAskとは異なります。スプレッドが広がったときなどは、チャートだけを見ていると動作を理解しにくい場合があります。

注文の条件に使う価格と、チャートの表示設定を確認しましょう。

スプレッドとは?FXの実質的な取引コストを解説

逆指値注文についてよくある質問

逆指値と損切りは同じ意味ですか?

違います。

損切りは、損失が出ている取引を終了する行動です。逆指値注文は、そのために利用できる注文方法の一つです。

逆指値注文は、新しい取引を始める場合などにも使えます。

逆指値注文とロスカットは同じですか?

違います。

逆指値注文は、利用者が価格などを指定して出す注文です。ロスカットは、口座の状態がFX会社の基準を下回ったときに、保有中の取引を強制的に終了する仕組みです。

逆指値注文を設定していても、先にロスカットの条件に達する場合があります。

ロスカットとは?FXで強制決済される仕組みを解説

逆指値は、買った価格より下にしか設定できませんか?

買った価格より上に設定する場合もあります。

たとえば150円で買い、現在の売値が153円まで上がったときに、152円に売りの決済逆指値を置く例です。

152円は購入価格より上ですが、現在の売値153円より下なので、売りの逆指値になります。ただし、実際の決済価格や利益額は保証されません。

利益確定の注文と一緒に出せますか?

サービスが対応していれば、OCO注文などを使って、利益確定の指値と決済の逆指値を同時に設定できます。

組み合わせ方や、一方が約定したあとの処理は、次の記事で説明しています。

OCO注文とは?2つの注文を同時に出す仕組みをやさしく解説

逆指値を置く価格は、どう決めればよいですか?

誰にでも当てはまる価格や値幅はありません。

指定価格まで動いた場合の損失額を、取引数量と合わせて確認することが大切です。同じ値幅でも、取引数量が多ければ損失額は大きくなります。

また、実際の決済価格がずれる可能性も含めて考える必要があります。

逆指値注文は「条件」と「成立価格」を分けて理解しよう

逆指値注文は、指定価格以上になったら買う、または指定価格以下になったら売る注文方法です。

損失の拡大を抑えるために使われますが、指定価格での成立や損失の上限を保証するものではありません。

まずは、買い・売りの方向、新規・決済の区分、数量、有効期限を確認し、「どの価格を条件に、何の売買を行う注文なのか」を整理しましょう。

※FXは元本や利益が保証されず、相場の急変などによって預けた証拠金を上回る損失が発生するおそれがあります。本記事は用語の理解を目的とした情報提供です。注文条件や約定ルールは、利用するFX会社の最新の案内をご確認ください。

祥

✅ 編集長監修

祥吾

FX歴15年。専門用語につまずいた経験をもとに、初心者にもわかりやすい用語解説を専門に発信している。

編

✏️ 担当ライター

編集部

FX基本用語の解説を専門に執筆している編集チーム。

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