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「FXは、買った価格と売った価格の差で利益や損失が出るものではないの?」
「取引を終えていないのに、スワップという金額が増えているのはなぜ?」
FXでは、為替の値動きによる損益とは別に、スワップポイントの受け取りや支払いが発生する場合があります。
スワップポイントとは、取引する2つの通貨の金利差などを背景に生じる調整額です。一般に、ポジションを翌営業日へ持ち越すことで発生します。ポジションとは、まだ終了していない取引のことです。
「ポイント」という名前ですが、お店の買い物でもらうポイントとは違います。FXの損益に関係するお金であり、受け取れる場合も、支払う場合もあります。
この記事では、スワップポイントの意味、金額の確認方法、受け取りや支払いの扱い、知っておきたいリスクをやさしく説明します。
スワップポイントとは?通貨の金利差などによる調整額
FXでは、米ドル/円のように、2つの通貨を組み合わせて取引します。
米ドル/円を買う取引は、米ドルを買い、日本円を売る組み合わせです。反対に、米ドル/円を売る取引は、米ドルを売り、日本円を買う組み合わせになります。
この2つの通貨の金利差などを調整する金額が、スワップポイントです。
基本的な考え方は、次のとおりです。
| 通貨の組み合わせ方 | 金利差から考えた基本的な傾向 |
|---|---|
| 金利が高い通貨を買い、低い通貨を売る | 受け取りになる場合がある |
| 金利が低い通貨を買い、高い通貨を売る | 支払いになる場合がある |
ただし、これは仕組みを理解するための基本です。
実際の金額は、市場の金利や資金の調達状況、FX会社の提示条件などによって変わります。「政策金利が高い通貨を買えば、必ず受け取れる」という保証はありません。
DMM FX公式:スワップポイントの意味 ※外部リンク
2つの利率の差を調整するイメージ
たとえば、利率が年3%のAと、年1%のBがあったとします。
同じ条件の金額について、3%分を受け取り、1%分を支払うなら、差し引きは2%分の受け取りです。
逆に、1%分を受け取り、3%分を支払うなら、差し引きは2%分の支払いになります。
スワップポイントも、この「2つの利率の差を調整する」という考え方に似ています。
ただし、上の数字は架空の例です。FXで実際に受け払う金額が、政策金利の差だけで決まるわけではありません。また、FX口座に入れた資金へ、そのまま預金の利息が付く仕組みでもありません。
買いと売りで、受け取り・支払いが違う
スワップポイントを見るときは、通貨ペアだけでなく、買いと売りのどちらを保有するかも確認します。
たとえば、ある会社の米ドル/円の一覧が、次のようになっていたとします。
| 売買方向 | 1万通貨あたり・1日分の表示例 |
|---|---|
| 買い | +100円 |
| 売り | -120円 |
この例では、買いを保有して条件を満たすと100円を受け取り、売りを保有すると120円を支払います。
買いが100円の受け取りだからといって、売りが必ず100円の支払いになるわけではありません。
※金額は説明用の架空の数値です。特定の会社や通貨ペアの実際の条件を示していません。
また、市場の状況などによっては、買いと売りの両方が支払いになる場合もあります。受払額の差があるため、同じ通貨ペアの買いと売りを両方持てば、スワップを無条件に相殺できるとも限りません。
「買いだから受け取り」「売りだから支払い」と固定して覚えず、その日の公式一覧を確認しましょう。
ロング・ショートとは?FXの買いと売りの基本用語をわかりやすく解説

スワップポイントは、いつ発生する?
一般に、FX会社が定める基準時刻をまたいでポジションを保有すると、持ち越しに伴うスワップポイントの対象になります。
この持ち越しに関係する処理を「ロールオーバー」と呼びます。
ただし、日本時間の午前0時を過ぎれば、必ず1日分が発生するわけではありません。基準時刻や口座への反映方法は、FX会社やサービスによって異なります。
また、土日や祝日などの関係で、1回の持ち越しに対して複数日分がまとめて付く日や、付与日数が0日分となる日もあります。
「何時間保有したか」だけでは決まらない
長い時間保有していても、持ち越しの基準時刻までに決済すれば、その持ち越し分のスワップが発生しない場合があります。
一方、保有時間が短くても、基準時刻をまたげば対象になる場合があります。
そのため、「24時間持っていれば1日分」「数分しか持っていないから付かない」という考え方では判断できません。
正確な時刻や付与日数の数え方は、次の記事で詳しく説明しています。
スワップポイントはいくら?公式の表示額から計算しよう
スワップポイントの実際の金額を確認するときは、FX会社が公表している一覧やカレンダーを使います。
政策金利の差から概算する方法もありますが、その計算だけで実際の受払額を確定することはできません。
まずは、公式の表示額と、自分の保有数量を対応させることが大切です。
基準数量に対して、自分が何通貨持っているかを見る
たとえば、公式一覧に「1万通貨あたり、1日分の買いスワップは100円」と表示されているとします。
数量に比例して計算する条件なら、受取額の目安は次のようになります。
| 保有数量 | 計算 | 1日分の受取額の目安 |
|---|---|---|
| 1,000通貨 | 100円×1,000÷10,000 | 10円 |
| 1万通貨 | 100円×10,000÷10,000 | 100円 |
| 2万通貨 | 100円×20,000÷10,000 | 200円 |

計算の考え方は、次のとおりです。
受払額の目安=基準数量あたりの表示額×自分の保有数量÷基準数量
※架空の条件による計算例です。実際の端数処理、表示通貨、計算単位などはFX会社のルールに従います。
「1ロットあたり」と書かれている場合は、そのサービスの1ロットが何通貨なのかも確認してください。会社や商品によって、1ロットの大きさは異なります。
複数日分の合計額を、さらに日数倍しない
カレンダーに「付与日数3日」「買いスワップ300円」と表示されていたとします。
この300円が、すでに3日分を合計した金額なら、さらに3倍する必要はありません。
「1日分の単価」が書かれているのか、「その日に受け払う合計額」が書かれているのかを確認しましょう。
また、「1日分が100円だったから、30日間で必ず3,000円」とも限りません。日々の単価が変わるため、将来の合計額は固定されていません。
数字の単位と、表示通貨にも注意する
円で表示する会社もあれば、通貨ペアやサービスによって外貨で計算・表示する場合もあります。
外貨での金額を円に直す場合は、換算に使うレートや時点も関係します。
同じ「100」という数字でも、100円なのか、別の通貨なのかでは意味が違います。金額だけでなく、単位と注記まで確認してください。
楽天証券公式:スワップポイントの計算と受け払い ※外部リンク
公式一覧で確認したい5つの項目
スワップポイントを比較・確認するときは、次の順番で読むと整理しやすくなります。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| ① 通貨ペア | 自分が取引する組み合わせか |
| ② 買い・売り | 保有する方向の欄を見ているか |
| ③ 基準数量・通貨 | 何通貨あたりで、何円または何通貨の金額か |
| ④ 対象日・付与日数 | いつの条件で、何日分か |
| ⑤ 確定値・予定値 | 実績なのか、今後変更される可能性がある数値か |
会社を比較するときも、同じ日、同じ数量、同じ付与日数にそろえる必要があります。
一方が1日分、もう一方が3日分の表示なのに、金額だけを比べると判断を誤ります。
また、キャンペーンなどの上乗せ額を含む場合は、対象数量や期間、受取条件も別に確認しましょう。
外為どっとコム公式:為替レート・スワップ表示の見方 ※外部リンク
スワップポイントの受け取り方と支払い方
スワップポイントの発生と、口座残高への振替、出金は、同じタイミングとは限りません。
「付いたと表示されているから、全額を今すぐ引き出せる」とは限らない点に注意してください。
保有中の取引に累積して表示される場合がある
サービスによっては、保有しているポジションごとに、未決済のスワップポイントが積み上がって表示されます。
この場合、為替の評価損益とスワップが別の欄になっていることもあります。
口座残高だけを見るのではなく、取引明細やスワップの累積額、損益の内訳も確認しましょう。
決済せずに振り替えられるサービスもある
ポジションを決済せず、スワップポイントだけを口座内へ振り替えられるサービスもあります。
たとえば外為どっとコムは、保有ポジションを決済せずに、スワップポイントをFX口座内へ振り替える機能を案内しています。
外為どっとコム公式:スワップ振替の仕組み ※外部リンク
ただし、振替できる条件と、出金できる条件は別です。最低金額、端数の扱い、口座の余力なども確認する必要があります。
支払い分も取引の損益として確認する
マイナスのスワップポイントは、損益や口座の評価額などに反映されます。具体的な反映・精算方法は、サービスによって異なります。
未決済の表示だからといって、支払いを無視できるわけではありません。
取引を長く保有するほど、支払いが積み重なる場合があります。為替の損益だけでなく、スワップを含めた口座の状態を確認しましょう。
国内FXと海外FXで確認したい違い
国内・海外という区分だけで、受取額や受け取り方を決めつけないことが大切です。
同じ通貨ペアでも、会社や口座の種類によって、表示額、計算方法、反映時刻、振替機能などは異なります。
確認したいのは、次のような点です。
- 買いと売り、それぞれの受払額
- 数量と日数の計算方法
- 保有中のスワップをどう表示するか
- 決済前に振替や出金ができるか
- スワップ以外の保有に伴う費用がないか
また、特定の口座について「スワップなし」と案内されていても、別の保有手数料や適用条件がある場合があります。名称だけで総費用がゼロだと判断しないようにしましょう。
税務上の扱いも、取引相手や取引内容などによって確認が必要です。「国内・海外」という呼び方だけで判断せず、公式の取引条件や税務資料を確認してください。
スワップポイントを目的に保有するときの考え方
スワップポイントの受け取りを目的として、ポジションを保有する方法は「スワップ投資」などと呼ばれることがあります。
ただし、銀行預金と同じように考えることはできません。
FXでは、スワップを受け取っている間も為替レートが変わります。受取額が増えていても、それ以上に価格が下がれば、取引全体では損失になります。
受け取りが増えても、取引全体はマイナスになり得る
たとえば、ある期間のスワップ受取額が合計3,000円だったとします。
一方、為替の値動きによる損失が1万円なら、両者を合わせた損益は次のとおりです。
3,000円-1万円=7,000円の損失
「スワップを3,000円受け取った」という事実と、「取引全体で利益が出ている」ということは別です。
取引全体を確認するときは、為替の損益とスワップ損益を合算し、別途手数料などがあれば反映させます。
なお、実際の売買価格から計算した為替損益には、売値と買値の差であるスプレッドの影響が含まれます。同じ費用を二重に差し引かないよう、明細の内訳を確認してください。

保有するだけで、自動的に複利になるわけではない
受け取ったスワップを再投資し、その追加分からも収益が生じるような運用は、複利に関係する考え方です。
しかし、同じ数量のポジションを保有しているだけで、取引数量が自動的に増えるとは限りません。
数量を増やして再投資すれば、将来の受取額が増える可能性がある一方、価格変動による損失額も大きくなります。
「長く持てば自動的に有利になる」と考えず、数量と資金の関係を確認しましょう。
スワップポイントの注意点とリスク
① 受取額や受け払いの方向が変わる
現在の受取額が、今後も続くとは限りません。
市場金利や資金調達の状況、FX会社の条件などによって、金額が減ったり、受け取りが支払いへ変わったりする場合があります。
取引開始時の一覧だけで判断せず、保有中も現在の条件を確認することが大切です。
② 高いスワップだけで通貨を選ばない
金利の高さには、物価上昇や通貨の信用、経済情勢などの背景があります。
受取額が大きく見えても、通貨の価格が下がるリスクが小さいとは限りません。政治・経済の変化や、売買しやすさも含めて考える必要があります。
「何日持てば取り戻せる」という計算も、受取額や為替レートが変わるため、保証された見通しにはなりません。
③ 取引数量を増やすと、為替損失も大きくなる
同じ受払条件なら、数量を増やすほどスワップの金額も大きくなります。
ただし、同じ価格変化による損益額も大きくなります。受取額だけを増やそうとして数量を増やすと、資金に対して大きすぎる取引になる可能性があります。
また、同じ数量なら、サービスのレバレッジ上限を変えるだけで、スワップ額が自動的に増えるわけではありません。
④ スワップの受け取りがあっても、ロスカットは起こり得る
為替の損失が大きくなれば、スワップを受け取っていても、口座の資金に余裕がなくなる場合があります。
口座の状態がFX会社の基準を下回れば、ロスカットによって取引が強制的に終了する可能性があります。
スワップの累積額だけでなく、評価損益や証拠金維持率も確認しましょう。
⑤ 決済価格や損失額を固定できるとは限らない
長く保有した取引でも、終えるときには決済が必要です。相場の急変や取引しにくい状況では、想定した価格で成立しない場合があります。
損切りの逆指値注文を利用しても、指定価格での成立や、損失の上限が保証されるわけではありません。
よくある質問
Q: スワップポイントはいつ口座に反映されますか?
A: 発生の基準時刻、画面への反映、残高への振替のタイミングは、FX会社によって異なります。
一般に、会社が定める時刻をまたいで保有した取引が対象ですが、日本時間の午前0時に一律で反映されるわけではありません。
付与日数が1日分とは限らないため、公式カレンダーと取引明細を確認してください。未決済スワップの表示と、すぐ出金できる金額も区別する必要があります。
Q: スワップポイントがマイナスになることはありますか?
A: はい。支払いとなるスワップポイントを「マイナススワップ」と呼ぶことがあります。
基本的には通貨間の金利差などが関係しますが、実際の受け払いは会社の提示条件によります。以前は受け取りだったものが支払いへ変わったり、買いと売りの両方が支払いになったりする場合もあります。
保有する前だけでなく、保有中も売買方向に対応した金額を確認しましょう。
Q: スワップポイントの税金はどう処理すればいいですか?
A: 日本の居住者である個人の場合、法令上の対象となるFX取引の利益は、原則として「先物取引に係る雑所得等」の申告分離課税となります。所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた税率は、通常20.315%です。
ただし、どの取引も同じ扱いになるわけではありません。海外業者との取引など、申告分離課税の対象とならない取引では、総合課税となる場合があります。
また、スワップの課税時期は、その会社で日々確定する仕組みか、決済や振替で確定する仕組みかなどによって確認が必要です。保有中だから課税されない、出金していないから申告不要、と一律には判断できません。
会社が発行する年間損益報告書などを確認し、申告の要否や対象年については税務署・税理士などへ確認してください。
国税庁:外国為替証拠金取引(FX)の課税関係 ※外部リンク
JFX公式:未決済スワップとスワップ振替の課税上の扱い ※外部リンク
Q: スワップポイントが高い通貨ペアを選べばいいですか?
A: 高さだけで選ぶことはできません。
受取額が大きくても、為替の損失がそれを上回る場合があります。受取額自体も変わるため、現在の数字が長く続く保証はありません。
通貨の値動き、経済情勢、取引数量、口座の資金、決済時の条件まで含めて考える必要があります。
Q: 国内FXと海外FXでスワップポイントの受け取り方は違いますか?
A: 受け払いの設定、反映時刻、表示通貨、振替機能、出金条件などが、会社や口座ごとに異なります。
国内・海外という区分だけで、受け取り方が統一されているわけではありません。保有中に振り替えられるか、決済時に精算するかなどを、公式ガイドで確認してください。
税務上の扱いも、取引相手や損益の確定方法などに応じた確認が必要です。
スワップポイントは、受取額と取引全体の損益を分けて見る
スワップポイントは、通貨間の金利差などを背景に発生する調整額です。受け取りだけでなく、支払いになる場合もあります。
確認するときは、買い・売り、基準数量、付与日数、表示通貨をそろえて見ましょう。
そして、スワップの受取額が増えていても、為替の損失を含めた取引全体ではマイナスになる場合があります。
「いくら受け取れるか」に加えて、「どれだけの数量を保有し、どのくらい価格変動の影響を受けているか」を確認することが大切です。
※FXは元本や利益が保証されず、相場の急変などによって預けた証拠金を上回る損失が発生するおそれがあります。本記事は用語の理解を目的とした情報提供です。受払条件や税務資料は、利用するFX会社と公的機関の最新の案内をご確認ください。
✅ 編集長監修
祥吾
FX歴15年。専門用語につまずいた経験をもとに、初心者にもわかりやすい用語解説を専門に発信している。

