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証拠金維持率とは、今の取引を続けるために必要なお金に対して、口座の資金がどれくらいあるかを示す割合です。
「しょうこきんいじりつ」と読み、通常はパーセント(%)で表示されます。
たとえば、取引に必要なお金が2万円で、含み損益を反映した口座の資金が10万円なら、証拠金維持率は500%です。必要な金額の5倍の資金がある、という意味になります。
ただし、「500%なら絶対に安全」という数字ではありません。
この記事では、身近なたとえと簡単な計算で、証拠金維持率の読み方を整理します。
証拠金維持率とは?「必要な金額の何倍あるか」を表す数字

証拠金維持率は、取引を維持するための資金の余裕を見る指標です。
ここで大切なのは、入金した金額に対して、何%のお金が残っているかを表す数字ではないことです。
比べる相手は、現在の取引を維持するために必要な「必要証拠金」です。
買い物のお金にたとえてみよう
2,000円の買い物をするとき、財布に10,000円入っていたとします。
財布のお金は、買い物に必要な金額の5倍です。
10,000円÷2,000円=5倍=500%
財布のお金が4,000円なら、必要な金額の2倍なので200%です。
証拠金維持率も、このように「必要な金額と、それに対してある資金」を比べます。
ただし、FXでは口座の資金が値動きによって変わります。また、必要証拠金は買い物代金のように支払ってなくなるお金ではなく、取引を支える担保として必要な金額です。
証拠金そのものの意味は、次の記事で説明しています。
証拠金維持率の基本的な計算方法
基本となる考え方は、次の式です。
証拠金維持率(%)=有効証拠金÷必要証拠金×100
計算に使う2つの金額を、簡単に確認しましょう。
| 用語 | 簡単な意味 |
|---|---|
| 有効証拠金 | 含み益・含み損などを反映した、現在の口座の資金 |
| 必要証拠金 | 保有している取引を維持するために必要な担保の金額 |
含み益・含み損とは、まだ取引を終えていない段階での利益・損失です。
たとえば、口座残高が10万円で、保有中の取引に2万円の含み損があれば、有効証拠金は概算で8万円になります。
10万円−2万円=8万円
必要証拠金が2万円なら、維持率は次の計算です。
8万円÷2万円×100=400%
※この例では、スワップポイントや手数料などを省略しています。
実際の計算式はFX会社で確認する
FX会社によって、資金の名称や計算に含める項目が異なります。
たとえば、外為どっとコムでは「有効評価額÷必要保証金額×100」を「有効比率」として表示しています。
外為どっとコム公式:口座照会の各項目と計算式 ※外部リンク
一方、DMM FXの証拠金維持率は「(純資産−注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100」です。まだ成立していない注文のために確保する証拠金も、計算に関わります。
DMM FX公式:証拠金維持率の計算式と取引上の重要事項 ※外部リンク
自分の計算と画面の数字が違うときは、利用する会社の計算式を確認してください。
以下の例は、未約定の注文がなく、必要証拠金が変わらない条件で説明します。
500%・200%・100%は、それぞれ何を意味する?
必要証拠金が2万円の場合を見てみましょう。
| 有効証拠金 | 計算 | 証拠金維持率 |
|---|---|---|
| 10万円 | 10万円÷2万円×100 | 500% |
| 6万円 | 6万円÷2万円×100 | 300% |
| 4万円 | 4万円÷2万円×100 | 200% |
| 2万円 | 2万円÷2万円×100 | 100% |
| 1万円 | 1万円÷2万円×100 | 50% |
500%は、必要な金額の5倍。200%は2倍。100%は、必要な金額と同じという意味です。
100%になったからといって、口座のお金がゼロになったわけではありません。
また、100%や50%になったときに何が起きるかは、FX会社のルールによって異なります。数字の意味と、会社が決める取引上の基準は、分けて考えましょう。
証拠金維持率が下がる主な理由
証拠金維持率は、比べる2つの金額のどちらが変わっても動きます。
1.含み損が増え、有効証拠金が減る
必要証拠金が2万円のままでも、含み損が増えて有効証拠金が減れば、維持率は下がります。
| 状態 | 有効証拠金 | 必要証拠金 | 維持率 |
|---|---|---|---|
| 含み損がない | 10万円 | 2万円 | 500% |
| 含み損が2万円 | 8万円 | 2万円 | 400% |
| 含み損が4万円 | 6万円 | 2万円 | 300% |
口座残高の表示が変わっていなくても、含み損が増えれば維持率が下がることがあります。
2.取引を増やし、必要証拠金が増える
口座の資金が同じでも、保有する取引を増やして必要証拠金が増えると、維持率は下がります。
有効証拠金を10万円として比べると、次のとおりです。
| 必要証拠金 | 計算 | 維持率 |
|---|---|---|
| 2万円 | 10万円÷2万円×100 | 500% |
| 4万円 | 10万円÷4万円×100 | 250% |
※数字の関係を説明する例です。実際には、新規取引のスプレッドなども有効証拠金に影響します。
「まだ損をしていないのに維持率が下がった」というときは、必要証拠金が増えていないか確認しましょう。
3.出金や必要証拠金の変更が影響する
出金によって口座の資金が減ると、維持率が下がる場合があります。
また、為替レートや適用される証拠金率などによって、必要証拠金が変わることもあります。
**維持率が下がった原因は、含み損だけとは限りません。**有効証拠金と必要証拠金の両方を確認することが大切です。
証拠金維持率とロスカット・追証の違い
関連する言葉ですが、それぞれ役割が違います。
| 用語 | 表しているもの |
|---|---|
| 証拠金維持率 | 資金と必要証拠金の割合を示す数字 |
| ロスカット | 会社の基準に従って、取引を強制的に終える仕組み |
| 追証 | 証拠金の不足によって、追加の差し入れなどを求められること |
証拠金維持率は、ロスカットや追証の判定に使われる場合があります。
ただし、判定する水準や時刻、対応方法は会社によって異なります。「どの会社でも100%を下回ると、すぐに同じ処理が行われる」ということではありません。
追証が発生する仕組みと対応については、次の記事で説明しています。
証拠金維持率は何%あれば安全?
すべての人・口座に共通する「安全な維持率」はありません。
同じ条件なら、維持率が高い方が資金の余裕はあります。しかし、現在の数字が高くても、その後の値動きによって急に低下する可能性があります。
確認したいのは、次の3点です。
- 利用する会社のロスカットや追証の基準
- 現在の有効証拠金と必要証拠金
- 相場が不利に動いた場合の資金への影響
たとえば、有効証拠金が10万円、必要証拠金が2万円なら、現在の維持率は500%です。
そこから新たに2万円の含み損が生じた場合は400%、4万円なら300%になります。
このように、今の数字だけでなく、**「資金が減ったら数字がどう変わるか」**も確認すると、状況を理解しやすくなります。
※これは計算を理解するための例で、特定の維持率を推奨するものではありません。
証拠金維持率についてよくある質問
維持率が下がったら、入金すれば解決しますか?
入金が計算に反映されれば、有効証拠金が増えて維持率が上がる場合があります。
ただし、保有中の取引の損失がなくなるわけではありません。その後も不利な値動きが続けば、再び維持率が下がる可能性があります。
数字を上げることと、損失の拡大を抑えることは分けて考えましょう。
取引を一部決済すると、維持率はどうなりますか?
保有する取引が減ることで、必要証拠金が減り、維持率が上がる場合があります。
ただし、両建ての計算方法や決済時の費用、価格の変化などによって結果は異なります。
なお、含み損はすでに有効証拠金に反映されています。同じ価格で決済する場合、含み損が確定したという理由だけで、同じ損失額がもう一度差し引かれるわけではありません。
取引を持っていないと、維持率は表示されませんか?
必要証拠金がゼロの場合、その金額で割り算ができないため、数字を表示しないなどの扱いになる場合があります。
表示方法は取引ツールによって異なるので、画面の説明を確認してください。
まとめ:証拠金維持率は「2つの金額」を見て理解しよう
証拠金維持率を読むときは、次の点を押さえましょう。
- 取引の維持に必要な金額に対して、資金が何%あるかを表す
- 含み損で有効証拠金が減ると、維持率は下がる
- 必要証拠金が増えても、維持率は下がる
- 実際の計算方法と判定基準は、FX会社で確認する
- 高い数字でも、将来の損失やロスカットを防ぐ保証にはならない
維持率の数字だけを見るのではなく、「有効証拠金はいくらか」「必要証拠金はいくらか」を一緒に確認することが大切です。
※FXでは、相場の急変などにより、ロスカットが行われても預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。
✅ 編集長監修
祥吾
FX歴15年。専門用語につまずいた経験をもとに、初心者にもわかりやすい用語解説を専門に発信している。

