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「ロングは長い取引、ショートは短い取引のこと?」
言葉を見ると、そう感じるかもしれません。しかし、FXのロング・ショートは、取引する時間の長さを表す言葉ではありません。
ロングは「買い」、ショートは「売り」から始めた取引の状態を指します。
基本となる流れは、次の2つです。
- ロング:先に買い、あとで売って取引を終える
- ショート:先に売り、あとで買い戻して取引を終える
この記事では、身近なたとえと米ドル/円の例を使って、ロング・ショートの違いを説明します。
ロング・ショートとは?まずは買いと売りを区別しよう
FXでは、買いから始めて、まだ取引を終えていない状態を「ロング」と呼びます。売りから始めて、まだ取引を終えていない状態が「ショート」です。

| 比較する項目 | ロング | ショート |
|---|---|---|
| 取引の始め方 | 買いから始める | 売りから始める |
| 利益を狙う方向 | 為替レートの上昇 | 為替レートの下落 |
| 取引の終え方 | 売って決済する | 買い戻して決済する |
| 不利になる方向 | 為替レートの下落 | 為替レートの上昇 |
ここでいう「決済」とは、始めた取引を終え、利益や損失を確定させることです。
「ポジション」という言葉もよく使われます。これは、まだ決済していない買いや売りの取引を意味します。
たとえば、「米ドル/円のロングポジションを持っている」は、「米ドル/円を買って、まだその取引を終えていない」という意味です。
SBI FXトレード公式:ロング・ショートの意味と基本の仕組み ※外部リンク
ロングは「先に買って、あとで売る」
ロングは、買ったときより高い価格で売ることで利益を狙う取引です。
身近なたとえ:100円で買った品物を120円で売る
ある品物を100円で買い、あとで120円で売れたとします。
120円−100円=20円の利益
反対に、80円でしか売れなければ、20円の損失です。
ロングも、価格差の考え方は同じです。「買った価格より高く売れたか、安く売ることになったか」で損益が変わります。
※このたとえは価格差を説明するためのものです。FXでは、通常、品物のように現物を受け渡すのではなく、売買の差額を精算します。
米ドル/円のロングを数字で確認する
米ドル/円を、1米ドル=150円のときに1,000米ドル分買ったとします。
その後、1米ドル=151円で決済すると、1米ドルあたり1円の値上がりです。
(151円−150円)×1,000米ドル=1,000円の利益
反対に、149円で決済すると、次のようになります。
(149円−150円)×1,000米ドル=1,000円の損失
つまり、米ドル/円のロングでは、買ったあとにレートが上がると有利になり、下がると不利になります。
※計算例では、スワップポイントや手数料などを省略しています。
ショートは「先に売って、あとで買い戻す」
ショートは、売ったときより安い価格で買い戻すことで利益を狙う取引です。
「持っていないのに、先に売れるの?」と感じるかもしれません。
FXでは、証拠金を担保として、売りから取引を始めることができます。米ドルの紙幣を先に用意して売り渡す必要はありません。
身近なたとえ:売る値段を先に決め、あとで安く仕入れる
お店が、ある品物を「あとで渡す約束」で120円で売ったとします。
その品物をあとから100円で仕入れられれば、差額は20円です。
120円−100円=20円の利益
ところが、仕入れるときに値上がりして、140円になっていたらどうでしょうか。
120円−140円=20円の損失
ショートも、価格差の考え方は似ています。先に売った価格より、あとで買い戻す価格が安ければ利益、高ければ損失になります。
※これは売買の順番を説明するたとえです。実際のFXでは品物を仕入れて届けるのではなく、取引の差額を精算します。
米ドル/円のショートを数字で確認する
米ドル/円を、1米ドル=150円のときに1,000米ドル分売ったとします。
その後、149円で買い戻して決済すると、次のようになります。
(150円−149円)×1,000米ドル=1,000円の利益
反対に、151円で買い戻すと、次の計算です。
(150円−151円)×1,000米ドル=1,000円の損失
米ドル/円のショートでは、売ったあとにレートが下がると有利になり、上がると不利になります。
※計算例では、スワップポイントや手数料などを省略しています。
DMM FX公式:売り(ショート)から取引を始める仕組み ※外部リンク
同じ値動きでも、ロングとショートでは結果が逆になる
150円で取引を始め、1,000米ドル分を決済した場合を比べてみましょう。
| 決済したときのレート | ロングの損益 | ショートの損益 |
|---|---|---|
| 151円 | 1,000円の利益 | 1,000円の損失 |
| 149円 | 1,000円の損失 | 1,000円の利益 |
※それぞれ別の取引を比較した例です。スワップポイントや手数料などは含めていません。
ロングとショートは、利益が出る値動きの方向が反対です。
ただし、「上がっても下がっても必ず利益を出せる」という意味ではありません。選んだ方向と逆に動けば、損失になります。
米ドル/円では、どちらの通貨を買う・売るの?
米ドル/円のロングは、米ドルを買い、円を売る方向の取引です。ショートは、米ドルを売り、円を買う方向の取引です。
米ドル/円が150円から151円になると、1米ドルを買うために必要な円が増えます。この動きは「ドル高・円安」です。
反対に、150円から149円になると、必要な円が減ります。この動きは「ドル安・円高」です。
米ドル/円では、次のように整理できます。
- ロング:ドル高・円安になると有利
- ショート:ドル安・円高になると有利
これは米ドル/円の例です。別の通貨ペアについて考えるときは、どの通貨を買い、どの通貨を売るのかを確認しましょう。
「売る=ショート」「買う=ロング」とは限らない
初心者が間違えやすいのが、取引を始める注文と、取引を終える注文の違いです。
買っていた取引を終えるための「売り」は、新しくショートを始めることとは違います。
| 操作 | 意味 |
|---|---|
| 新規で買う | ロングを始める |
| 買いポジションを売って決済する | ロングを終える |
| 新規で売る | ショートを始める |
| 売りポジションを買い戻して決済する | ショートを終える |
たとえば、米ドル/円を買っている状態で、その取引を終えたいなら「買いポジションの決済」を行います。
ここで誤って新規の売り注文を出すと、取引ツールや設定によっては、買いと売りの両方を持つ状態になることがあります。
注文画面では「買い・売り」だけでなく、「新規・決済」も確認してください。
ロング・ショートを理解するときの注意点
ロングは長期、ショートは短期という意味ではない
英語の「ロング=長い」「ショート=短い」から、取引期間を表す言葉だと思いやすいですが、FXでは売買の方向を表します。
短時間で終えるロングも、長く保有するショートもあります。
買いなら安心、売りなら危険と決まるわけではない
ロングもショートも、予想と反対にレートが動けば損失になります。
「買いの方が言葉としてわかりやすい」ことと、「買いの方が安全である」ことは別です。
どちらの場合も、取引する数量が大きいほど、同じ値動きに対する損益額は大きくなります。
数量の単位を知りたい方は、ロットの記事も参考にしてください。
値動き以外の費用や損益もある
実際のFX取引では、買値と売値の差である「スプレッド」があります。また、取引を持ち越すと、金利差などに関係する「スワップポイント」が発生する場合があります。
そのため、先ほどの簡単な計算だけで、実際の最終損益がすべて決まるわけではありません。
スワップポイントを受け取るか支払うかは、通貨ペアや売買方向、FX会社の条件によって異なります。
買値と売値の違いについては、次の記事で説明しています。
ロング・ショートについてよくある質問
ドルを持っていなくてもショートできますか?
FXでは、証拠金を担保として売りから取引を始められます。米ドル/円のショートのために、米ドルの現金を先に用意する必要はありません。
ただし、取引に必要な証拠金や条件は、利用するFX会社で確認してください。
買ったあと、まだ売っていなければ利益は確定しませんか?
決済する前の利益は「含み益」と呼ばれます。
たとえば、150円で買った米ドル/円が151円になっていても、まだ決済していなければ、その後の値動きで含み益が減ったり、損失に変わったりします。
決済前の損失は「含み損」と呼びます。
ロングとショートを同時に持てますか?
同じ通貨ペアで買いと売りの両方を持つことを「両建て」と呼びます。できるかどうかや操作方法は、FX会社・口座・取引ツールによって異なります。
両方を持てば必ず得をするわけではなく、取引コストもあるため、まずは新規注文と決済注文の違いを理解しましょう。
まとめ:ロングは買いから、ショートは売りから始める
ロング・ショートは、FXの取引方向を表す基本用語です。
- ロングは、先に買って、あとで売る
- ショートは、先に売って、あとで買い戻す
- ロングはレートの上昇、ショートはレートの下落で利益を狙う
- どちらも、反対方向に動けば損失になる
- 取引を終えるときは「決済」の操作を確認する
まずは、**「買ってから売る」「売ってから買い戻す」**という順番で覚えると、違いを整理しやすくなります。
FXの仕組み全体を確認したい方は、次の記事も参考にしてください。
※FXは元本や利益が保証される取引ではありません。相場の急変などにより、預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。
✅ 編集長監修
祥吾
FX歴15年。専門用語につまずいた経験をもとに、初心者にもわかりやすい用語解説を専門に発信している。

